「アンリ・ルソー:パリの空の下で ルソーとその仲間たち」@ポーラ美術館

久しぶりのポーラ美術館行です。前回の企画は日本画だったので華麗にスルーしてしまったため、実に丸一年ぶり。はてなダイアリーに移ってきてからは初めてですね。一応、此処は行きつけのミュージアムなのですよ。

今回はアンリ・ルソーがメイン。ここしばらくの各地の展覧会でルソーはわりと見ておりまして、中でもポスト印象派展では「戦争」と「蛇遣いの女」という大物が2枚出ていたわけですが、ルソーメインの展覧会を見るのは今回が初めてです。

ぶっちゃけた話、私はルソーのパーソナリティについてはあまりよく知りませんでした。素朴派であること、ピカソらごく少数の者にのみ認められていたこと、渡仏からまだ日の浅い藤田嗣治に大きな衝撃を与えたこと程度は知っていますが、まあその程度でして。ですので今回は年譜やなんかもしげしげと眺めていたのですが、面白いな、この人。「19歳:兵役を免れるために就職→勤務先で金を使い込んで逮捕、有罪(禁固刑)→感化院行き(未成年なので)を免れるために兵役を志願」。DQNじゃねーかwww 風紀紊乱な芸術家はいっぱいいるけど財産犯罪で逮捕はねーよwと思わず笑ってしまったり。ちなみに、晩年にも公文書偽造による詐欺事件で有罪判決を受けています。こちらは巻き込まれただけという説もあるようですが、なんとも言えんなw

画家としては、「素朴派」と言ってしまえば聞こえはいいですが、要するに技術的には下手な画家ですよね、この人。とりわけ、ピカソドガなんかと一緒に見ちゃうと( ゚∀゚)<アハハハハハ八八ノヽノヽと笑いたくなっちゃう。今回の出展作の中だと、「フリュマンス・ビッシュの肖像」なんかが典型ですな。ルソーは肖像画を描くに際してあらゆる部分を正確に採寸してから描いていたらしいですが、それにはちょっと「えーっ!?」と言いたくなります。パースもおかしいしな〜。葉っぱの描き込みだけは凄いけどw

が、ルソーの絵、ことに密林をモチーフとした絵が見る者を強烈に惹きつけるのは事実。それは色遣いの個性のためでもあるけど、それだけではなく、彼のジャングル絵が完全に空想の産物である故なのでしょうね。ルソーはフランス外には一度も出たことが無く、植物園の熱帯植物を見ながら絵を描いていたそうで、頭の中は異国の自然への憧憬でいっぱいだったのでしょう。あれだ、魔法使い男性のエロ妄想みたいなものですかね。妄想は爆発だ! もっとも、アカデミックな絵はブラマンク先生に怒られるだけですので、それくらいでちょうど良いのかとw それがユトリロにまで影響を与えているというのにはかなり驚きましたが。ちなみに、ゴーギャンは結構性格が悪い。ルソーを騙しまくりw


見終わった後のお昼は、カロリーが気になるのでw、和牛と野菜のポトフにしてみますた。これがなかなかイケた。パンにはオリーブオイルを添えて。これも好きな組み合わせ。ちなみに、一番好きなのは蜂蜜を塗って食べることなんだけど、それをやっているとプーさんになっちゃうので自重してますw


次回の企画は藤田嗣治。フジタ展って何年か前に国立近代美術館で見て以来だなあ。どんな展示になるのか楽しみ。