「大原 BEST」@大原美術館

体調不良の中、何とか予定通りに大原美術館に寄ってきました。

実は、倉敷って過去に一度しか行ったことがないのです。しかもその時は大学の友人たちと一緒でして。旅行としては楽しかったけど、大原美術館の鑑賞に関してははっきり言って邪魔でしたw ですので、今回初めてゆっくりと鑑賞する機会を持てたわけです。ちょうど、創立80周年特別展ということで本ミュージアムのエッセンスをまとめて見られたので幸いでした。期間中は無休だったので、本来は休館日であった月曜日に入れたのもありがたかった。ただ、時間と体調の都合で、今回は工芸・東洋館はスルーしました。

さて、作品について。正直、前回来館時に何を見たかはよく憶えていませんでした。『受胎告知』の他にはピカソ、ブラック、ロートレックポロックあたりは憶えていたものの、あとは記憶が曖昧で。なので今回はかなりwktkはしていましたけど、とりあえず、ゴーギャンの「かぐわしき大地」って此処にあったんだっけー!? いきなり吃驚。しかし、改めて思うに、実に「異国のエヴァ」(同じくゴーギャン作)と同じ構図&ポーズですな。

次に目を惹いたのはジョルジョ・デ・キリコの『ヘクトールとアンドロマケーの別れ』。『ヘクトールとアンドロマケー』ってポーラ美術館で見たことがあるんですけど、連作モチーフなのかしら?……と思ったところで思い出しました。デ・キリコの後期の作品は前期の自己模倣だとしばしば言われていることを。彼は結局、若い頃の作品を越えられなかったんですよね。そのため、過去の作品を自ら贋作呼ばわりしたり、作品に滅茶苦茶な完成年月日を記入したりした。そこでちょっと調べてみたところ、『ヘクトールとアンドロマケーの別れ』は1918年の作品。これに対し、『ヘクトールとアンドロマケー』(ポーラ美術館)は1930年頃の、同じく『ヘクトールとアンドロマケー』(東京富士美術館)は1950年の作品です。ということは、オリジナルと言えるのは今回見た『ヘクトールとアンドロマケーの別れ』だと言ってよいのでしょうかねえ、……というようなことを考えていたら、自分の、個々の作家に対する知識の浅薄さに気付かされて凹んだのですよ。もっと勉強せにゃならんなあ。

あと気になったのは小出楢重の『Nの家族』ですね。なんか最近この作品の名前を見た気がしたので。QMAの問題になっていたようないなかったような。


それにしても、ここの美術館は入館料が控えめでよいなあ。大人1000円でこれだけ見られれば、足を運ぶ甲斐がありますよね。また今度、今度はもう少し暖かい時期に行きたいものですw