漫画家の和田慎二さんが他界

ここのところ[News]カテでは訃報しか書いていないのですが、今回もまた。漫画家の和田慎二さんが亡くなりました。

和田慎二といえば、男性少女漫画家の草分けの一人です(手塚治虫松本零士を少女漫画家と称するのは妥当と思われませんが、和田慎二魔夜峰央は間違いなく少女漫画家でしょう)。

記憶にある限りで、私が初めて読んだ少女漫画は、魔夜峰央和田慎二の作品です。具体的にいえば、『ラシャーヌ!』『パタリロ!』、そして『スケバン刑事』です。確か、母の実家の近所にあったお好み焼き屋さんに置いてあったのを読んだような気がします。時期的には小学校に入った頃ですかね。別にそれでロリやBLが平気になったというわけではないと思いますがw、成分の95%が色恋沙汰といったような少女漫画をあまり好まないのは、少女漫画デビュウが男性作家の手による作品だった影響はおそらくあると思っています。その意味では、私の原点の一つなのかもしれません。

和田作品といえば、私の中ではぶっちぎりで『スケバン刑事』です。今回の訃報に接して、ネットではミミズ風呂の話題がよく出ていて、他にも蜘蛛やらヤツメウナギやらといったナマモノ系の拷問描写の話もよく挙がっており、それらは和田慎二白泉社秋田書店の編集者のどちらがアレだったのかは大変気になるところですがw、個人的に一番怖かったのは海槌麗巳。序盤の敵役として悪の限りを尽くすのですが、これがガチでえげつないんですよ。特に、主人公である麻宮サキの妹に対してやったことが半端ない。なにせ、

サキの妹の婚約者(サキの友人でもある)を殺す
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サキの妹を拉致して、その顔をサキと同じに整形、水銀で声を潰す
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サキの母親(サキを憎悪するとともに妹の方を溺愛している)の目の前にサキの姿になった妹を放り出し、殺害させる
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その様子をサキに見せつける

とかやらかしますからね。しかもこれら全てが、サキへの嫌がらせのため。先日亡くなった声優の小林修が演じていたズォーダー大帝がキング・オブ・傲慢な悪役だとしたら、海槌麗巳はクイーン・オブ・陰湿で粘着で残酷な悪役ですよ。しかも、麗巳って美人なんだけど爬虫類顔でねー(というよりも、和田慎二作品では、悪役キャラは爬虫類的な目で描かれることが多いです)。余計に怖いんだ。私は、少女漫画というと最初に白泉社、次に秋田書店を思い浮かべるクチなのですけど、この二社は昔っからフリーダムですよな。むしろ、昨今はおとなしくなった方かもしれない。いずれにせよ、私は、海槌麗巳よりも酷い悪役を他に知りません。


ところで、今回の訃報の第一報は、同じく漫画家の野間美由紀先生のTwitterからでした。著名人が亡くなると公式アナウンスよりも先に同業者等がTwitterで訃報を流すのがすっかり最近の傾向となっていますが(個人的にはあまり褒められたことではないと思いますが)、それ自体を是とするにしても、今回の訃報に際しての野間先生のツイートはいささか喋りすぎであったと思います。正直、またかよ(ry


それにしても、まだ61歳で亡くなられるとは……。普通にお元気な方だとばかり思っていたのですが。残念です。
漫画家・和田慎二先生のご逝去に、謹んでお悔やみ申し上げます。